グロティウス(1583-1645)
国際法の父と称されるオランダの自然法学者。14歳で大学を卒業し、神童の評判をヨーロッパに響かせ、フランス王アンリ4世をして“オランダの奇跡”と感嘆せしめた。オランダが独立を確保した1609年に『海洋自由論』を著し公海の自由を説く。しかしその後オランダを2分した政争に巻き込まれて逮捕され、国家転覆の陰謀の罪で終身禁固の刑を受け財産を没収された上に古城に2年間幽閉。妻の手引きで書物運搬用の箱に隠れて奇跡的な脱獄を果たし、フランスなどに亡命した後、スウェーデン宮廷に仕えた。フランスに滞在中、見聞した三十年戦争の惨状に、戦争時においても平和時においても国際法が必要であることを痛感し、1625年名著『戦争と平和の法』を著した。