アダム=スミス(1723-1790)
l776年「神の見えざる手」であまりにも有名な『国富論』を著し、古典派経済学の祖とみなされるイギリスの道徳哲学者。重商・重農両経済学を批判し、自由放任主義を主張。分業と商品交換を重視。彼の理論はイギリスに発生していた産業革命を背景に資本主義社会の諸現象を明らかにしたもので、新興の市民階級の経済思想を理論づけるものであった。父が誕生前に死亡し、母一人子一人で育ち、母と同居したまま生涯独身で過ごす。61歳の時母が90歳で死に、以後健康が衰えて67歳で死んだ。財産の殆どは生前ひそかに慈善事業に寄付されていた。