ヘンデル(1685-1759)
ドイツのハノーヴァーの宮廷音楽家であったが、アン女王の死によってステュアート朝が断絶し、ハノーヴァー公がジョージl世としてイギリス王に招かれた(ハノーヴァー朝の成立)のを機にイギリスにわたる。バロック音楽を大成しオペラ作家としても名声を博すも、ロンドンを襲った不況の中で経営するオペラ団が倒産。この窮状の中にあって、旧友の詩人から送られた詩を読んで凄まじいインスピレーションを得、3週間ほとんど不眠不休でとりつかれたように作曲。こうして完成したのが代表作『メサイア』である。そして世に問うたこの傑作の成功によって、絶望のどん底から復活するのである。