ホメロス(前8世紀)

前8世紀の最古にして最大の叙事詩人。トロヤ戦争での英雄たちの活躍を歌う『イリアス』、トロヤ戦争の英雄オデュッセウスの苦難に満ちた帰還の物語『オデュッセイア』で有名。盲目の詩人であったと伝えられているが、実在を疑う説もある。その叙事詩はポリス成立期に、それまで様々に伝えられていたエーゲ文明時代の口伝が集成されて成立したと考えられる。さて、受験世界史で、ヘレニズム期の彫刻の代表としてよく出題される「ラオコーン像」は、実は『イリアス』中のエピソードに基づいた作品である。この像は大蛇に絞め殺されようとしている人物の苦悶を捉えた傑作とされるが、ではなぜ大蛇に絞め殺されるという普通 では考えられない目にあっているかというと、彼ラオコーンはトロヤ側の神官であったが、一人ギリシア側のトロイの木馬の奸計を見破り、木馬を槍でつつこうとした。ら、ギリシア側を応援していたアテナ女神が怒って、その使いである大蛇をしてラオコーンとその子を絞め殺させてしまったんであると。97年南山大の正誤問題でこの内容が出題された。出すな。そんなもん。