『番長連合』3巻(阿部秀司)
いまどき、番長まんがを読めるのは、週刊少年チャンピオンだけ。しかも同じ作者の『エリートヤンキー三郎』(講談社)と違って、大まじめなのであった。
(評点4.0)
『ORANGE』13巻(能田達規)
これにて完結。2年後には、こんなマンガ、みんな忘れてしまっているのだろうなあ。もしかすると、四国に初のJリーグ・クラブが出来るかもしれないのに(愛媛じゃなくて、徳島かもしれないけど)。
(評点5.0)
『聖闘士星矢エピソードG』3巻(岡田芽武/車田正美)
黄金聖闘士たちが主役。星矢たちが活躍する前時代の物語。ここ数年はやりの「二世もの」マンガのひとつともいえる(時代をさかのぼっているけれど)。
絵は岡田節(?)炸裂だが、ストーリーは車田版のエピソードに引きづられてしまっている印象でイマイチ。
ちなみに、車田先生本人は『リングにかけろ!2』を、偉大な父たちに反抗するこどもたちという、なんともとほほな図式一本やりで連載中である。
(評点5.0)
『真説・魔獣戦線』3巻(石川賢)
『魔獣戦線』の結末を、それはそれでよしとして自分に納得させていたので、この続編については嬉しさ半分なのだ。
まだ石川賢得意の大風呂敷は広がっていないが、自粛しているのか、老成してしまったのか。
(評点5.5)
『バキ』21巻(板垣恵介)
最近、『餓狼伝』(谷口ジロー版じゃないよ)と『バキ』のキャラクターがごっちゃになるようになってしまった。作者のせいじゃないけどね。久々に父子対決あるのでしょうか?
毒が薬になるというバキの復活ネタは安易。
(評点5.0)
《朝日ソノラマ》
『栞と紙魚子 何かが街にやってくる』(諸星大二郎−ファンページ−)
ひさびさ栞と紙魚子シリーズ。基本はユーモア・タッチな不可思議話だが、「魔術」のような暗い話もきっちり描けるところが、作者の実力。いまさら言うまでもないことだけどね。
このひとのキャラクター設定能力は凄いよ!
(評点6.5)
《エンターブレイン》
『読もう!コミックビーム』(桜玉吉)
タイトルのとおり、エンターブレイン発行のマンガ雑誌「コミックビーム」のための宣伝広告4コマ。“私生活マンガの帝王”桜玉吉(ちなみに女王は西原理恵子)入魂の傑作(?)
体調不良で連載を休止していたときも、これだけは描いていたというからあきれるやら、なにやら。
ところで、エンターブレインは「私生活マンガ」多すぎない?
(評点6.5)
『よみきり▽もの 6』6巻(竹本泉)
“マイナー・メジャーの王様”竹本泉のよみきりマンガ・シリーズ。ちょっとネタ切れ。
何描いてもいいというのは、けっこうたいへんなのね。
(評点5.5)
《太田出版》
『男ロワイヤル』(小田扉)
小田扉、ご近所さんらしいです。
ちょっと無理に作品を集めて単行本を作ってしまった印象。もったいない。『団地ともお』(小学館)―こちらは連載ものだけど―と比較すると明白。編集の力量の差?
(評点5.5)
《講談社》
『エリートヤンキー三郎』19巻(阿部秀司)
ますます主役の存在がうすくなる一方で、ネタも小ぶり。連載開始当初のテンションは、もう望めないのか?
(評点4.5)
『TOKKO』1・2巻(藤沢とおる)
「特攻」ではありません、念のため。
どこかで見たことのあるような設定が満載なので、あとは作者の調理の腕次第というところ。最初のカラー・ページの書き文字は工夫のつもりだろうが、かえって煩雑なのではないか?わざわざ、豪華版と通常版を同時に発行するほどのことでもないと思う。
(評価5.5)
『capeta』3巻(曽田正人)
このひとの作品と村枝賢一の作品がダブるのは、わたしだけですか?
熱血カート少年マンガ。F1まで視野に入れており(しかも、フェラーリ・チーム?)、いつもながら作者の本気度は高い。
熱血が『昴』(小学館)のように、陰にこもらないことを望む。勝平太・父がポイント。
ところで、巴突進太って知ってますか?
(評点6.0)
『蒼天航路』30巻)
(王欣太/李學仁)
ついつい曹操と織田信長を比較してしまうのは、わたしだけですか?
いづれ完結した際には、A5判サイズで完全版を出してもらい、まとめ読みしたい作品。横山版『三国志』より面白いでしょ?
(評点5.5←でも今回は辛め)
『浅倉家騒動記』2巻(桝田道也)
スラップスティックなギャグ・マンガは難しいという見本。かろうじて生き残っているのは『浦安鉄筋家族』シリーズ(秋田書店)くらいか。
(評点4.0)
『ブラックジャックによろしく』8巻(佐藤秀峰)
川原泉大先生曰く「男なら、泣くな」(『川原泉の本棚2』より)。
ガン編終了。現代医療の問題点を摘発することがこのマンガの目的ではないはずなので、これはこれで良しと、わりきること。いわゆる終末医療だって、問題山積みなんだから。
『海猿』の二の舞を避けられそうなのは良いことだ。
(評点6.0)
『きらきらひかる2』5巻(郷田マモラ)
女でも、泣くな。
すっかり2時間ドラマ化してしまったねえ。非常に残念だ!
遠慮なく、うじ虫とか切断死体とか描いちゃう姿勢は好き。
(評点4.0)
《集英社》
『テニスの王子様』22巻(許斐剛)
サブ・キャラクターの人気でもっている、きわめてジャンプ的なマンガ。最近は、その人気にも翳りが……。
とりあえず、ジャージで試合するな!
(評点4.5)
『ごっちゃんです』2巻(つの丸)
このマンガで相撲人気が復調するとは思わないし、このマンガの人気もさほどだとは思わないが、『みどりのマキバオー』以来、久々のGood Jobだと思う。←ホントか?
(評点5.5)
『帰ってきたハイスクール!奇面組』(新沢基栄)
原稿紛失事件をおもえば、本に出来て良かったね。でも、それだけ。
こういった弛緩したお笑いをギャグとは言わない。懐かしさだけで、読んじゃだめよ。
(評点4.5)
『ラブ★コン』7巻(中原アヤ−公認ファンクラブ−)
いまどき珍しい王道ラヴ・コメまんが。
主人公たち二人のやりとりはたいへん面白いのだが、いかんせんご都合主義的に使われるサヴ・キャラの質感に乏しい。良くも悪くも70年代の少女マンガのようだ。
もうひとふんばり。
(評点5.0)
《小学館》
『藤田和日郎短編集 暁の歌』(藤田和日郎)
この作者のごちゃごちゃした絵は好きですか? ストーリーテリング能力はかなり高いひとですけどねえ。
富士鷹ジュビロのマンガも読んでみたいです。
(評点5.5)
『からくりサーカス』31巻( 〃 )
べつに比較することもないのだが、CATVで『エヴァンゲリオン』の再放送をしているので、ぜひとも碇シンジ君には、主役の少年の爪のアカでも煎じて飲んでもらいたいものだ。
藤田和日郎ってビルドゥングスロマン好き? 少年が闘って成長していく話は、少年マンガの王道ではあるけどさ。
(評点6.0)
『ファンタジスタ』23巻(草場道輝)
日本人は司令塔とか、ファンタジスタとか好きだよね。どこのチームにも必ずいるもんだと誤解しているひとが多いもの。
負のテンションの高いマンガだが、そのパワーは『俺たちのフィールド』(村枝賢一)より数段おちる。
(評点4.5)
『団地ともお』1巻(小田扉)
今月のベスト(おいおい)。
「癒し」でも「和み」でも「郷愁」でもない。あえていうなら「馬鹿」か? その意味(?)でライバルは『バカ姉弟』。
「古い壺に新しい水を入れ」(都筑道夫)ようとしているマンガ。
がんばれ、小田!!
(評点6.5)
『太陽の黙示録』4巻(かわぐちかいじ)
かわぐち節炸裂中。この作者の安定した仕事ぶりは特筆すべき。毎場所優勝争いする横綱のよう(とは、褒めすぎだ)。
序章が終わって、これからが本章である。その後の『日本沈没』(小松左京)。
(評点5.5)
《スクウェア・エニックス》
『ながされて藍蘭島』3巻(藤代健)
このなんにもなさ、ぼくは辛いです。
今月のワースト(あえて言わせてもらう)。
この作者に柄谷行人的な「他者」は存在しない。
(評点3.5)
《創英社》
『マヤ 須藤真澄短編集』(須藤真澄)
とりあえず、帯見て笑ってください。なんてったって『マヤ』ですから。
(評点5.0)
《白泉社》
『川原泉の本棚2』(川原泉−非公式ファンサイト−)
マンガではありません。川原泉のおすすめ本紹介。
短編小説とかは、まるまる一編収録されているのが素晴らしい。
(評点5.5)
《芳文社》
『ひがわり娘』3巻(小坂俊史)
21世紀にモラトリアムは可能かということを検証している4コママンガ、というのは嘘。
日々無為に過ごしているとしか思えない娘の無為なマンガ。
(評点4.0)
《マッグガーデン》
『PEACE MAKER 鐵』4巻(黒乃奈々絵)
新撰組マンガのひとつ、と言っては作者が怒るだろう。
思いつきが未消化のまま描かれているのが最大の欠陥。
スクウェア・エニックス発行の同じ作者の『PEACE MAKER』は契約の問題とかで、なかなか重版しにくいのだそうだが、それがどうした。
(評点4.0)
《リイド社》
『風雲児たち 幕末編』4巻(みなもと太郎)
ギャグがパターン化されたものしかないのが唯一の欠点。
もともと歴史小説家希望だったというから、資料探しはお手のもの。事実の圧倒的な迫力にタジタジである。
作品力は『風雲児たち』より若干おちるか?(評点6.0)
《白泉社》
『男女』(宇仁田ゆみ)
いまどき珍しいまるい線で描くマンガ家。一部書店でブレイク中。
たわいもない男女のたわいもない恋愛を描いたたわいでない作品集。
JETSコミックス・レーベルで出てるのは男性読者を獲得したいからか。
(評点6.0)
『空のむこう』(遠藤淑子−非公式ファンサイト)
これを円熟というのか? 説教くささがなくなったのは良しとしても、かつての破天荒さが感じられないのが残念。Goodな作家だとは思うが、Greatな作家ではない。
個人的には、すごく好きなマンガ家のうちのひとりだが……。
(評点5.5)