03年3月31日 ディズニーシー
春休み唯一の家族サービスでディズニーシーへ。入場口のところで手荷物検査をやっているあたりイラク戦争の影響を感じるが、中に入ればそこは非日常の世界。よく出来ていると、これはホントに関心する。倒産したハウステンボス支援にディズニーリゾートを経営するオリエンタルランドが乗り出すのでは、という噂を耳にしたけれど、ハウステンボスは基礎的な施設の充実ならばディズニーシー以上。これにディズニーリゾートのサービスノウハウが加われば、期待度は高い。日本経済の未来を拓くためにもディズニーリゾートには頑張ってもらいたい。(結構本気)
03年3月30日 春期終了
横浜校で今年の東大世界史問題の解析講義。解析講義をやることであらためて、一国史と発展史観に基づく「戦後史学」の時代が終わったことを実感。ネットワーク論などに基づく「新しい世界史」が完全に主流になっていて、それが入試問題に直接反映するようになっている。新しい研究動向がそのまま入試傾向になるという世界史の教科の性格は、教えている方にとっても日々の学習が欠かせないということで、結構厄介。油断していると、以前の知識や通説が、文字通り「時代遅れ」になってしまう。歴史の講師が「歴史の遺物」になるのは勘弁だよなと自戒しつつ。
03年3月27日 論述問題追加
一橋大学の問題をに追加。あちこち工事中だらけで、完成するのはいつの日か。
03年3月26日 春期講習開始
3限横浜校で世界史論述、5限駒場校で総合世界史。スギに加えて最大のアレルゲンであるカモガヤの花粉が飛来する季節となり、花粉症が激化。眼の痛みが頭痛に連動し、個人的には最悪のコンディションですが、やるっきゃないですね。気合いを入れ直してます。
アメリカの対イラク戦争は、「帝国」としてのアメリカの没落の引き金になるのではという解説記事がちらほらと出始めました。史上最大の財政赤字を作り出したブッシュ政権が、京都議定書の拒否から始まるアメリカ一国主義(ユニテラリズムという用語があります)で暴走したあげく、世界の同意を得られない戦争に突入したことで、ドルに対する信頼が失われ、財政的にもアメリカはもたなくなるのではという分析です。
にもかかわらず、富裕層への大幅減税にこだわるブッシュ政権は、「思いやりのある保守主義」というそのスローガンとは異なり、結局のところ1%のアメリカ富裕層のためだけの政権であることがますます明らかになってきてます。破綻したエンロンに関与していたことで、公式の舞台に出ることを出来るだけ避けてきたチェイニー副大統領ですが、戦後イラクの石油利権が、チェイニー副大統領が2年前まで最高経営責任者をつとめ、現在でも相当額の配当を得ていると推定される企業に与えられることが、明らかになりました。
あまりにもあからさまで、さすがにアメリカのメディアでも批判的な論調が出てきた。当初の楽観論に反して対イラク戦が長期化の様相を見せ始め、対イラク戦費用の見積もりがうなぎ登りの状況で、こういうことをやっていたら駄目でしょう。
問題は、そのやばいアメリカ国債を買い支えてきたのが日本で、アメリカの財政破綻はすでに破綻している日本の財政を道連れにして、再建を不可能にしてしまいかねないことだったりするんだけど、「国益」を口にしてアメリカの対イラク戦争にいち早く賛同してしまい、対イラク戦の費用分担を要求されれば、応えざるを得ない状況を自ら作り出してしまった日本政府の責任者の方々はそこらへんのリスク回避をどう考えてるのか。国民に対し徹底的に説明責任を果たすことで、一定の支持をかちとったイギリスのブレア首相のような指導力を期待しても無駄と思いつつ、説明して欲しい。
03年3月25日 お知らせ
を追加しました。
03年3月24日 良心の証明
アメリカ合衆国のアカデミー賞を千と千尋が受賞。ディズニーが、自社製作のリロ&スティッチにとらせるため、千と千尋の宣伝を控えてリロ&ステッィチの大宣伝を敢行と伝聞していたので、アカデミー賞は無理だろうと。長編ドキュメンタリー部門は、ブッシュ政権を痛烈に批判しているマイケル・ムーア監督のボーリング・フォー・コロンバインが。アメリカという国の一筋縄ではいかないところ。
03年3月23日 シーズン開幕
河合塾駒場校にて体験講座のイベント授業。いよいよ2003年度のシーズンの始まり。
03年3月22日 Jリーグ開幕
世界のどこかで戦争が戦われ、にもかかわらず我々の日常は続く。われわれが生きる日常は日常で良く生きることが大切ではないか。世に蔓延する自粛ムードは、結局自分の気を済ませたいだけの底の浅いもの。気を済ませないためにも、かわりのない生活を。。。と自らに言い聞かせながら、味の素スタジアム(旧東京スタジアム)にJリーグの開幕戦を観に行く。したら、2万数千人が入った味の素スタジアムで、学生時代からの友人とばったり。似たようなことを。
03年3月20日 情けないとおもったこと
ついに戦争が始まる。それに対して、全面的な支持を表明した数少ない世界の指導者が、日本の小泉首相だというのが情けない。小泉のその突出した行動の前提にあったのが、外務省幹部たちの、世界各国は、なんだかんだ言って結局アメリカに従うという分析だったことが情けない。グローバリズムの進展が、世界史の状況を大きく変えつつある、歴史の変革期に自分たちがあることへの感度が信じられないくらい鈍感なことが情けない。川口外相の外務省改革はどうなったんだ。しかも、それを支持する日本の一部メディアの論調が、アメリカ支持が日本の「国益」になるから、というのが情けない。ブッシュ政権(事実上、選挙で敗北しながら政権の座に居座った政権である)が代表しているのはあくまでアメリカ合衆国の一部勢力であり、アメリカ国内にも共和党右派や親イスラエル派に対する強い批判があること。対イラク戦争の雲行き次第では、ブッシュ政権自体がアメリカ史上最悪の政権とする烙印をおされて崩壊しかねないこと、もしそうなってしまったら、アメリカ支持を強硬に打ち出したことで、国際社会の信頼を失った日本が、ブッシュ政権に代わったアメリカの政権からも無視されるという最悪な結末になりかねないこと。個人的にはこの可能性が一番高いと思うが、その場合、今確保できる「国益」なんて、霧散霧消しちまうぞ。
クラス一番の嫌われ者は、自分が絶対正しいと思っている単純な暴れ者のジャイアンではなく、ジャイアンの腰ぎんちゃくとなってその意をうかがい、そのおこぼれで自分の利益の実現をはかるスネオであるというのは、誰もが知っている話だと思っていたんだが。
03年3月18日 まだましかと思ったこと
世界がアメリカ共和党右派の思うようにはならなかったこと。結局、安全保障理事会はアメリカに完全なお墨付きを与えなかったし、中国、ロシア、フランスなどが戦争の開始にはっきりと反対の意志を示したこと。湾岸戦争の時にはなかった現象だ。しかもそこには、反戦運動の盛り上がりなど、国際的な世論の意向を受け、その新しい潮流を利用しようという政治的な判断が働いていたと考えられる。アメリカ共和党右派が代弁する「アメリカ帝国的」な「上からの」グローバリズムと、それに反対する「下からの」グローバリズムの対立の図式が明確になり、パワーゲームを繰り広げる大国の指導者たちにも無視できないものに成長してきたことが確認されたことが、今回の陰鬱な事態の唯一の救いだろうか。
03年3月17日 moment of truth for the world
「明日は世界にとって真実の時である」と,アゾレス諸島での米英西首脳会談を前にブッシュが言い放ちました。結局首脳会談では、事実上の対イラク戦開始が決定されてしまいました。イギリスのブレアが出来たのは、開戦を認める代わりに、親イスラエル派が政権中枢に食い込んでいるブッシュ政権に対して、対イラク戦争とパレスチナ和平を抱き合わせることを約束させることだけ。これに対しては、早速イスラエルのシャロン首相が「パレスチナの独立は認めない」と居直ってます。ブッシュの言う、「世界にとっての真実の時」は、世界史上に残る歴史の暗転の日として記録されるようです。
03年3月14日 アメリカの対イラク戦争の問題を考える
サイトを集めてみました。対イラク戦争がアメリカの民主主義自体の破産からなされようとしているという悲痛な主張はのに、対イラク戦争は、アメリカ自体の経済的破綻をもたらすのではないかとの記事は、のに、その記事内容とも連動するのですが、アメリカの対イラク戦争の経済的要因として、経済専門家が疑問視するイラクにおける石油資源の確保ではなく、石油産出国のドルからユーロへの切り替え阻止ではないかという解説記事が、のにあります。また、新たな公共概念の構築を求めて千葉大学内におかれたにも、があります。
03年3月13日 ようやく
『長い18世紀のイギリス』(近藤和彦編、山川出版社、2002)を読了。名誉革命によって王権と一体化したイングランド議会がイングランド王国の主権の体現者となったことで、かえって大英帝国におけるイングランド王国以外の地域(スコットランド、アイルランド、アメリカ13植民地)との関係が問題となり、スコットランドとの合邦、アイルランドとの連合王国の形成、アメリカ植民地の独立と、一連の大英帝国の再編につながっていったという第5章・第6章の見解に納得。都市国家ローマが、征服によって帝国へと拡大していく際に起こった問題とも通底する事態が、フランスとの植民地戦争に勝利し、大英帝国を形成していく時期のイギリスにも発生していたということだろうか。
03年3月12日 情けなし
昼過ぎより、家族の風邪が順次回復。家事においてあいかわらずたいした戦力になっていないということを思い知らされた数日間ではありました。分梅書店にて『国家像・社会像の変貌―現代歴史学の成果』(歴史学研究会編、青木書店、2003)をゲット。
03年3月11日 ピンチ
昨日より次男に続いて長男が発熱。と思ったら本日は妻が発熱。
03年3月10日 しまった
今頃になって、2月27日の朝日新聞朝刊に、社会・人文科学系研究者がアメリカの対イラク戦争に反対する意見広告を出していたことを知る。慌てて2月27日の新聞を引っ張り出してみたら、確かにあった。ありました。見逃してました。戦争反対の論拠が非常に明確でわかりやすいです。私同様見逃していた人は、にネット上のページがありますから、是非行ってみてください。
03年3月9日 ドイツ表現主義
朝起きると、いきなり次男が発熱。日曜日だったので、市の医療センターに連れていき、一日分の薬をもらう。午後からは看病をかみさんにまかせ、長男を連れて府中市美術館で開催中のドイツ表現主義の芸術展に。今日が最終日だったので、どうしても観ておきたかった。20世紀初頭に花開いたドイツ表現主義は、20世紀の絵画や小説、映画に大きな影響を及ぼす一方、本来画家志望であり、伝統絵画の賛美者であったヒトラーのナチス政権下では頽廃芸術として弾圧されたことが知られている。今回の展覧会では、何と伝説の映画「カリガリ博士」の上映も。
が、しかし、小学校2年生の長男にとっては、新しい芸術を生み出そうとした画家たちの苦悩などは知ったことではなく、「なんか、趣味悪い。へんな絵ばっか」と、当然と言えば当然の反応。映画鑑賞まではとても付き合わせることが出来ず、結局「カリガリ博士」は観れずじまい。残念
03年3月8日 GOING BACK TO OKINAWA
土曜日。午前、午後と子供たちと公園。夕方からは、羽村市から来てくれた今井さん一家(またも除く休日出勤の父)とホームパーティー。沖縄料理のチャンプルーを作ってもらう。美味い。そう言えば、スライド・ギターの神様ライ・クーダー(最近ではキューバ音楽の紹介で脚光を浴びた)にも、沖縄に題材を取ったGOING BACK TO OKINAWAという曲があった。琉球王国の盛期、南シナ海と東シナ海の国際交易の結節点だった沖縄には、歴史屋としても以前から興味があった。でも、行ったことがない。行ってみたいもんである。沖縄。
03年3月7日 う〜
花粉症が深刻化。微かな悪寒に加えて頭がぼーっとする。時々それが頭痛に変わる。風邪の初期症状がずーっと続いている状態。さらに目のかゆみに加えて、突発的に出るくしゃみがいけない。くしゃみをする度に、これも持病となってしまった腰痛に響く。悪化する。個人的にはつらい季節となりました。
アメリカの理不尽は止まず、イラク攻撃は何としても断行する気配だし、アメリカとイギリス以外の全ての常任理事国に加えてドイツが反対にまわっている中で、国際連合の舞台でアメリカを積極的に後押ししているのが日本であるというのも情けない。そんなことを思いながら、のホームページを覗いてみたら、巧妙に難民の門前払いの仕掛けをほどこした入館難民法改定法案が閣議決定されたとの解説記事が。
何をやってんだか。。。
03年3月6日 もやもや解消法
午前・午後と、羽村市の旧宅の片づけやら、不動産屋さんとの打ち合わせやらに追われる。その後、昨日に引き続き、夕食を作る。キャベツと豚肉がメインの豚汁に、鳥の手羽肉のマーマレード+ビール煮。冷蔵庫からキンと冷えた缶ビールを取り出して、中身の半分を鍋にあけ、残りの半分は、飲んじゃう。料理をしながら飲むこのビールが、くーっ、美味い。
03年3月5日 いろいろあるさ
面白くないことがあったので、夕食を作る。ひき肉と茄子のカレー。馬鹿の一つ覚え。
03年3月4日 雑務
引っ越しやら、工房李香の登記簿移転手続きやらで、朝から銀行を駆け足。極めて生産性の低い一日であった。
03年3月3日 田聡の『鳥人伝説 Birdman Rally』
を購入。『湘南爆走族』でツッパリ+ギャグという人気路線を切り開き、多くの追随者を生んだ田聡の、少年サンデーとヤングサンデーに平成1年に短期連載した作品を集めたもの。ギャグのキレは抜群。読後感は、中島みゆきの『ファイト』(たたかう君の唄を、たたかわないやつらが笑うだろう)を聴いた時のようだ、と書くと、ギャグと中島みゆきの『ファイト』のミックス(あくまで私の印象です)というのは、一体どういう作品なんだとお思いでしょうが、いや、そういう作品なんだってば。解説を宮崎駿が書いていて、宮崎駿と田聡の取り合わせも意外といえば意外、納得といえば納得。「田聡はドン・キホーテである。ぼくはドン・キホーテが好きだ」(宮崎駿、本文解説)
03年3月2日 3月は半分以上休みなんだが
午前中から来年度の東大・一橋大オープン模試の出題検討会議。過去10年間の出題傾向や今年の両大学の問題分析から、対策問題のテーマを決定。当然ながら内容は秘密です。
それにしても3月は基本的には仕事がない月のはずなのに、何故か会議やら特別体験授業やらが日曜日に入っている。確認してみると、5回ある日曜日のうち、3回まで仕事で潰れているのは如何。
03年3月1日 複雑な気分
羽村市の旧宅がようやく売れることになり、まず手付金受けとりの契約を交わす。当初の最低予想価格を200万以上下回る内容。デフレ不況が身に染みる。