04年2月29日 子育てに思う2
 お泊まりした次男に小児ぜんそくが出て、府中市の健康センターの休日診療に連れていく。途中、かなりぐったりしていたので心配したが、何のことはない。どうも昨晩興奮してあまり寝てなかったのが原因。ぜんそく軽減のための吸入措置の後、昼寝をしただけで、夕方にはフルパワーで復活。一日、振り回される。一日で前言撤回。全然楽になってないぞ。

04年2月28日 子育てに思う1
 小金井公園のフリーマーケットに参加して、狭い我が家のスペースをさらに狭くする不用品の数々を処分する予定だったが、かみさんがウイルス性の胃炎でダウンし、予定変更。
 家事中心の一日となる。といっても、父親所蔵のマンガにそろそろ関心を示し始めてる長男は、『め組の大吾』を夢中になって読み耽り、次男は、友達の家に遊びに行ってそのままお泊まりとなったので、子供の遊び相手をつとめる必要がない。以前に比べると、格段に楽になった。
 一抹、寂しい。

04年2月27日 巨星墜つ
 網野善彦氏死す。日本の中世社会史研究を切り開き、日本人単一民族幻想、稲作民族幻想を打ち砕いた大歴史家である。一般的には、宮崎駿の「もののけ姫」の世界は、氏の歴史観を大胆に取り入れて成立したものと説明すると分かりやすいか。
 冥福をお祈りします。

04年2月26日 そのテーマは2年前に東大直前講座の問題で
 午前中の更新作業。午後からは、東京大学の解答速報作成会議。第一問の長文論述は、銀を媒介とする近世世界の一体化について。河合塾の論述クラスでは、しつこくやり続けていたテーマだったので、「ベタな問題やな〜」というのが、解答作成メンバーの共通の第一印象であった。でも、これを「ベタな問題」と話題に出来る受験屋の現場は、そんなにはないと思う。

04年2月25日 そんな奴はあまりいないぞ
 網膜剥離の進行状況をチェックすべく眼科へ。ホントは12月に行かなければならなかったわけだが、なにしろ12月の半ばから1月にかけては、休みがほとんどない状態だったので、行くに行けず、2月になってからは、後ろめたさやら何やらで、伸び伸びになっていたのだった。いや、それ、図書館とかで借りた本など、ついうっかり返し忘れて返却日時を過ぎると、返そう返そうと思いつつ返って返しにくくなっていたずらに日が過ぎてしまい、というあの状態。例えば、公民館で借りた本を1年半に渡って返し損ねた挙げ句、ついに意を決し、服の下に隠して持ち込んで、見つからないように本棚に戻すという。その間抜けなガキは小学校4年生くらいの私だ。しかも借りていたのは、ネス湖のネッシーだとか、ヒマヤラの雪男だとかを紹介した「本当にいる!世界の珍獣・奇獣図鑑」といった内容のトンデモ本。
 どうでもいい話にそれてしまったけど、検診結果は現状に変化なしで、定期検診も今後は半年に一度くらいでよかろうと。ほっとして脱力。

04年2月23日 面白いです
 『ためらいの倫理学』(角川文庫、2003、2001年に冬弓舎から出た単行本に加筆修正)読了。内田樹の「発見者」である増田聡のサイトは→

04年2月22日 悲しいさがです
 名古屋で模試の検討会議。どっと疲れる。
 『上智・青山・立教・明治大世界史』の共著者である渡辺先生と二人、新幹線で麦酒を飲みながら帰京。映画『ロードオブザリング』(「ザ]が中途半端に一つだけついているこの邦題は、何とかならんかといつも思うが)の話題となって、原作の『指輪物語』が第二次世界大戦中に執筆が続けられたこと、ヴェトナム反戦運動中のアメリカで人気を博したことなどに話が及び、なんだ、『指輪物語』で現代史の問題が作れるじゃないかと盛り上がったところで、二人してマジになって検討開始。
 これだから受験屋は。

04年2月21日 早過ぎた私
 早稲田教育と政経の解答速報検討会議。文学部、法学部、国際教養が、従来型の早稲田大学の入試問題から脱皮を図ろうとしているのに対し、この2学部は、改善の意図をかすかに見いだすことは不可能ではないものの、従来の早稲田大学世界史入試問題の範疇に留まっている。つまり、重箱の隅をつつくような難問・奇問・悪問が続出。ただ、昨年から世界史が復活した文学部や、今年から新たに始まった文学部などの新傾向に、若干拍子抜け(いや、もちろん受験生にとってはいいことなんだけど)の観もあっただけに、従来の早稲田型問題(それでも、ましにはなったんだ)の教育と政経に関しては、むらむらと闘志が沸いてきたというか、誰もが安心してツッコミを入れられる間抜けな悪役って貴重だよなと認識を新たにしたというか。某先生などは、こういう問題があるから、我々予備校講師の存在意義があるのです、とまでのたまう。ちなみに、教育学部の大問3番で、唐の太宗が遊牧民から受けた称号を、記述させる問題が出題された。解答は天可汗。正解者は少なかったと思われるこの問題、実は昨年度の早稲田オープン模試で、このわたくしが出題している。1年ずれていたら、的中だったんだが。

04年2月20日 2月は例年
 高校時代からの友人が仕事で上京。羽村市在住のもう一人の友人と、羽村市は小作駅前の居酒屋で飲み会。10代からの友人と3人で飲むというのが、この2月は3度目。どっぷりと懐古モードに漬かる。

04年2月19日 
 慶應経済の解答速報作成会議。やはり、論述問題は昨年に比べて安易ということで、意見が一致。ただ、来年度については、隔年現象の揺り戻しもあるんでは、ということでも意見が一致。さて、どうなる。


04年2月18日 わたくしのような立場のものが言うべきことでは
 慶應経済の問題がファクスで届く。がっかり。論述問題が予想していたものより安易である。これでは、河合塾の慶應オープンの模試で、慶應経済の論述問題の予想問題を作るために、まで出向いたり、ネット上で英文資料を見つけ出して翻訳したりした苦労は何だったのかと。まあ、昨年が手の込んだ問題だった分、今年は安易な問題になるかな、というのは、これまでも隔年現象があったので予想の範囲ではあったんだけど。



04年2月17日 やはり親馬鹿
 火曜日は、週1回の長男の空手教室の練習日である。前回の演武会での昇級試験の結果発表がある。結構頑張っていたので、本人も上がれるんじゃないかと期待してたのだけど、結果、飛び級で10級の白帯から8級になっていた。やったね。


04年2月16日 人間の複雑性
 『イギリス人の帝国』竹内幸雄、2000年、ミネルヴァ書房)読了。
−商業、金融そして博愛−が副題となっている。著者は、19世紀のイギリス理解の視点として有力になっている、ジェントルマン資本主義(19世紀イギリス経済史を、マルクスが予言したような産業資本家と労働者の階級対立の産物としてみるのではなく、貴族ジェントリの地主階級に、ロンドンのシティの金融業者が融合したジェントルマンの決定的な役割を重視する立場)の、日本における紹介者の一人。第一部でジェントルマン資本主義論から見た帝国主義時代に関する説明の後、イギリス帝国主義内の多様性の分析に向かい、最後に“博愛的”帝国主義者について論じる。理論的側面よりもむしろ扱っている素材、特に補論でその生涯が紹介されているケインスメントなる人物が興味深い。イギリスの外交官として、ベルギー国王レオポルド2世コンゴ自由国に対する搾取と圧政を批判し、コンゴ改革運動に決定的や役割を演じながら、アイルランド人としてアイルランド独立運動に参加し、イースター蜂起に連座して国家反逆罪で処刑。処刑にあたって、助命嘆願運動を鎮静化するために当局が利用したのが、ホモセクシュアルだった彼が、金銭を払って関係した男性たちの肉体的特徴とその感想を詳細に記していた「黒い日記」と呼ばれるその日記であったと。

04年2月15日 親は馬鹿です
 長男が入っているバスケットクラブが、府中市の大会に参加。今日の会場が、徒歩10分の長男の小学校の体育館ということもあり、応援に行く。学年別になっているが、カテゴリーは4年生からなので、クラブからは4年生のAチームと、3年生以下のBチームが参加。3チーづつのリーグ予選後、勝ち上がった4チームでトーナメントを戦う。3年生の長男は、もちろんBチームで参加。で、実は2月1日の項で書いたように、リーグ予選は勝ち上がっていて、わたくしが観戦したのは、いきなり準決勝。実は、前日の14日は学童保育のお楽しみ会の日帰りスキー旅行の予定だったのに、今日のこの試合のために土壇場でキャンセルし、調整練習に参加していたのだった。しかしその努力もむなしく、今回の相手は流石に強く、結果は敗北。が、勝ち目のない相手に必死にむかっていく姿に、親としてはちょっとジンと来てしまいました。


04年2月13日 良い傾向です
 早稲田国際教養の入試問題解答速報作成会議。早稲田大学が事前に公表していたように、重箱のスミをつつくような従来型の問題ではなく、昨年度の法学部と同様のテイストの良問であった。世界史は。ところが、これも事前に早稲田大学が通告していたことなんだけど、日本史は大問の一つが、まるごと英文で出題された。
 「国際教養」という学部の性格を考えると、これはある意味当然かもしれない。大学が求める人材としては、「世界史の基礎教養をしっかり身につけている」ことが、望ましいわけで、「日本史おたくだけど、世界史のことは何も知りません」という学生に入ってこられたら、授業に困る。
 そういうわけで、将来、早稲田大学の国際教養を受けてみようという諸君、あるいは回りに将来、国際教養を受ける可能性がある知り合いがいる皆様、早稲田の国際教養は、世界史受験が圧倒的にお得なようですよ。。。

04年2月12日 去りにし日々
 クローン病になった友人が帰郷する前の、最後の飲み会。高校時代のソフトテニス部の仲間で私とダブルスのペアを長く組んでいたもう一人の友人を誘い、3人で飲む。ダブルスのペアだった友人とは、10年ぶりくらい。卒業してからも、数えるほどしかあっていない。それだけにお互いの変貌ぶりが話題になる。当時、わたくしが体重53キロ前後、彼にいたっては50キロ前後。わたくしはともかく彼は「カワイイ」系の美少年で、他校の女子部員にもけっこうファンがいたりしたのだった。それがまあ、わたくしも体重を15k以上増やしたが、彼にいたってはそのわたくしの体重を上回ってしまっているのだから、面影はいずこである。
 「おまえ、おっさんになったのお」「おまえこそおっさんじゃろわ」とマイナスの方向性でもって盛り上がる。

はあ。

04年2月11日 埼玉県のみなさん
 進級試験を兼ねた長男の空手演武会が埼玉県上尾市の埼玉県立格技場であった。何で埼玉かというと、府中市のヨーカ堂でやってる空手教室に入会したら、たまたまその団体の本部が埼玉にあったから。
 おかげで、前埼玉県知事の悪名高い箱モノ行政の遺物の一つを実地に見聞することになったわけだが、噂にたがわず、立派な建物で、メインの競技場が1つ。サブの競技場が2つ。弓道の射的場が2つ。さらに相撲場が内外2箇所あり、その控え室にはお相撲さんに不可欠のお風呂まで備わっている。何でそんなことまで知っているかというと、何ごとにもあきっぽく、当然、演武を見続けることにも耐えられなくなった6歳の次男と一緒に、格技場の隅々まで探検してまわったから。
 休日だというのに、弓道場で2人が練習していた他は、サブの競技場で長男が所属する武道団体がやっている演武会のみ。ほとんどの施設は使用者がいない状態。ひとごとながら、大丈夫なんだろうか。

04年2月10日 はるかなる道のり
 昨日に続き、模試の原稿で煮詰まり、気分転換にギョウザを作る。皮から手作り。2回目なので、少しは手慣れてきて、皮については今回は合格点をもらう。しかーし。店で買い物する時中に、具の肉が何だったかを失念し、鶏肉か豚肉かで迷った挙げ句、鶏肉を選んでしまったところで、すでに失敗は約束されていたのであった。
 ギョウザには、豚肉です。ジューシーさが違います。
 
 鶏肉のギョウザは、なんだかパサパサしています。

04年2月9日 不調の日
 一日、模試の原稿に取り組む。終わらず。気分転換に夕食のカレーを作ったところ、不評。

04年2月7日 かわるかわるよ 時代はかわる
 家族で築地市場に寿司を喰いに行く。築地市場に行ったのは、これが初めて。我々のような客目当てに地下鉄の駅から市場まで寿司屋の看板が並んでいて、行列が出来ている店には、紹介された雑誌の切り抜きやTVの場面が、店頭に張りだされている。不安になる。80年代のバブルの時代に20代であった者として、観光地化で勘違いし、内実が劣化するというパターンは、あの頃嫌というほど見聞きし、原体験のようなものになってしまっている。
 とにかく一軒を選んで入ってみる。ところが、握っていたのはイケメン系の若くてスタイリッシュなあんちゃんであった。うるさくて生意気な頑固じじいを想像していたのに。しかもこのあんちゃんが、息子たちにも気軽に声をかけてくれる気さくないい奴で、肝心の寿司も、しっかりと美味。その割にお値段も安かった。
 こういうことが、最近よくある。どうやら、わたくしの80年代認識パターン自体がすでに過去の遺物であるらしい。長期不況の90年代に、もしいいところがあったならば、それは本物が生き残りやすい環境が生まれてきたことか。

04年2月6日 遠方より
 午前中に、から、注文していたが届く。これでやっとマックはOSX環境に完全移行。

 中学、高校、大学とずっと一緒だった友人が、クローン病という腸の難病で東京での生活を断念し、職を辞して帰郷することになった。もう一人、昨年胃癌の手術をした高校時代からの友人が、たまたま仕事で大阪から上京してきたので、3人で飲もうということに。クローン病は腸に負担のかかるものはダメなので、新宿の豆腐料理の専門店をインターネットで探し出し、飲み会。それぞれが抱えている事情が事情で、状況が状況だけに、しんみりとした雰囲気になるかと思ったら、胃癌をやった友人が、何となく就職して好きでもない仕事をずっとやって来た、そういう状況を変えて人生をやり直すいい機会だったんとちゃうか、と、パワフルな議論を展開。盛り上げてくれたのであった。感謝。感謝。さすが大学で体育会ラグビー部だっただけのことがある。
 でも、待ち合わせの時に、地図を見ていたのにもかかわらず、新宿駅南口を出たところで、店とは逆方向に行って迷ってしまってたのはどうかと思うぞ。いくら土地勘が無いとはいえ、高校時代登山部主将。

04年2月5日 マンガの日
 銀行に行って処々の支払いを済ませ、ついでに隣にあるTUTAYAに寄り道。の『イブの眠り』の1巻が平積みになっているのを発見。そういえば『イブの眠り』の前提となっている『』って7巻までしか買ってなかったことに気がついて、全巻ゲットする。帰宅後一気読み。アクション・ストーリーものはやはりまとめ読みの方が、作品世界に浸れて良し。堪能。ラストの、爆発寸前の建物で、一人が中に残ってコンピューターを操作し、次々に遮蔽ドアを開けて仲間を逃すというアイデアはの、『』にもあったなと思い至り、ついでに『』も再読。記憶違いで『』の場合は、爆発から守るために遮蔽ドアを閉めながら、外に出ていくという逆のパターンであった。が、読んでいるうちにそんなことはもはやどうでも良くなって、作品世界に耽溺。


04年2月4日 おふろの日
 2003年度の授業が全て終了しても、目の前には既に、模試の〆切やらテキストの〆切やら解答速報作成会議やらが積み上がっている。が、とにかく今日は息抜きである。久しぶりに、府中市の「湯の国ジャポン」へ。朝風呂につかり、館内のレストランで昼食をとり、麦酒を飲みながら、『』を再読。そのあとレストルームで1時間ほど爆睡。日中の大半をまったりと過ごす。
 たまにはいいよね。
 それにしても、『』。やたら刺激的な本なんだけど、お値段7000円は、いくらなんでも高すぎるんでは。

04年2月3日 
 読了。文学作品研究からの「ヨーロッパ近代文明」解析のアプローチ。歴史学や社会学の成果も援用していて、いわゆる学際的な研究が、成果を上げ始めた格好の事例。

04年2月2日 祈
 駒場校で一橋大学テスト。今シーズンの授業は、今日と明日のこの講座で終了。12月中旬からは、受験直前の最後の追い込みで、受験生ともどもなんとかここまでたどり着いたという感じ。諸君、合格を祈る。

04年2月1日 テニスに適性はなかったよな
 長男が入っているバスケクラブが市の競技会に参加。お手伝いをかねてかみさんは長男とともに競技会へ。後から聞いたところによると、3年生チームで出場した長男は、他の子たちより始めたのが遅かったのだけど、与えられたポジションで、ディフェンスとパス出しという与えられた役割を一生懸命こなしていたと。3年生のチームが他にいなかったので、4年生チームのカテゴリーで出たにもかかわらず、2試合やって2試合とも勝利。最近はなんだか随分バスケが面白くなってきたらしい。ただ、親としては息子にバスケの適性があるとは思えないので、もっと適性がありそうなものにエネルギーを注いで欲しいと思ったり。いや、適性がなくても、努力でそこそこはいけるということを学ぶことも、生きていく力をつけるために大切ではと思い直したり。難しいところです。って、単なる考えすぎか。
 さて、その間私めはといえば、次男と、遊びにきた次男の友達を連れて府中市の郷土の森へ。冬だというのに、水遊び広場で遊ぼうとする保育園児に振り回されていたのでありました。