ゴーギャン(1848-1903)
「タヒチの風景」など、太平洋のフランス領タヒチ島で多くの独特な傑作を描いたことで知られるフランス後期印象派の画家。有能な株式仲買人として社会的な成功をおさめ、良き妻と5人の子に恵まれ、家庭においては善良な夫であり、日曜画家として時たま絵筆をとるほか、印象派の絵の収集をするだけであったのが、35歳にして突如それまでの生活を捨て、職業画家として立つことを決意。しかし彼の絵はまったく売れず結果として妻と5人の子を捨てることになる。赤貧の生活の中で絵を描き続け、一時ゴッホと共同生活を送ったもののゴッホと喧嘩してゴッホに耳を切らせる事件をおこして破綻。43歳の時タヒチにわたる。そこで膝の痛み、貧困、孤独に悩まされながら現地の女性と同棲して数々の傑作を描いたが、やはりほとんど認められることなく55歳で死んだ。サマセッ卜=モームが代表作「月と6ペンス」でモデルとした。