自由貿易主義は、イギリスによって生み出された国際貿易の理論である。
の祖は、国家に束縛されない自由な個人の経済活動と競争こそが生産を増加し、人間の福祉を増進すると唱えた。この自由な競争を国際貿易に適用し、による貿易統制を批判したのが自由貿易論であり、自由貿易によってそれぞれの国がそれぞれの得意分野に特化し、国際分業を行うことが、世界全体の経済的利益を増大すると考えられたのである。の理論は、さらに穀物法を批判したによって明確化され、産業革命によって世界の工場となったイギリスは1846年の穀物法廃止、1849年の航海法の廃止によって国内の自由貿易体制をととのえ、他国にも工業製品輸出を正当化する理論として主張するにいたった。
一方、イギリスのに対しては、ドイツのがを唱えて対抗し、プロイセン主導のドイツ関税同盟の成立を導いて、プロイセンによるドイツ統一を準備するにいたった。