デカルト(1596-1650)
代表作『方法序説』の“我思う故に我在り”の言葉で有名な合理論哲学の祖。フランスの官僚貴族の家に生まれる。イエズス会の学院でスコラ哲学を学ぶ一方、ルネサンス的な汎神論的宇宙解釈にも触れるが満足できず、数学こそが確実な学問であると考えて数学的思考法、すなわち演繹法を理論の墓礎においた。1628年に自己の思想をまとめ、公表するためにイエズス会の勢力の強いフランスを逃れ、オランダに移り住んだ。48年学問好きのスウェーデンのクリスティーネ女王に招かれた時、一旦は病弱な自己の身体と北国の寒気を考え併せて断ろうとしたものの、結局は女王の懇願に負けてスウェーデンに渡り、翌年たちまち肺炎になって死亡。