バイロン(1788-1824)
「一夜目覚めてすでに天下の詩人」と自ら記したのは、24歳で『チャイルドハロルドの遍歴』を著し、世に熱狂的に迎えられた時のことである。美貌のイギリス貴族として生まれながら、生まれつき足が悪かったこともあって屈折した放蕩の生活を送る。成功後は特にその奔放な女性関係が世の人の非難の的となり、ついにイギリスを飛び出して大陸を旅行しながら『ドン=ジュアン』のような大作を書く。ギリシア独立戦争が勃発すると、フランスの画家ドラクロアなどとロマン主義の視点からギリシア独立援助を訴え、ついに自ら義勇兵として参戦。独立軍の司令官となるも最後は熱病で死亡した。