出題年:1998年
出題校:一橋大学
問題文
17世紀前半,女真族が建てた後金は明軍を破って中国東北地方を支配し,国号を清と改めた。この清が1644年に北京に都を移してから,さまざまな対抗勢力をおさえて,中国本部の全域に対する支配を確立するまでには,およそ40年を要した。1644年以降における清の中国支配の確立の過程について,簡潔に説明しなさい。(200字以内)
解答例
清は明を滅ぼした李自成の乱を鎮圧し,北京に入城した。その後,明の復活を唱え,明の王族を擁立した反清復明運動が南方各地で起こったが,これに対しては呉三桂ら明の降将を用いて鎮圧し,復明運動に参加した鄭成功とその一族が台湾に拠点を置いて抵抗すると,遷界令で対抗した。南方で藩王とした呉三桂らが三藩の乱を起こすと康煕帝はこれを鎮圧し,台湾にも遠征軍を派遣してこれを征服し,1683年に中国の統一に成功した。