第11回 マンガを読む時間がない!─だから、いまごろ4月の新刊マンガ─


《講談社》

賭博破戒録カイジ』13巻(福本信行−ウェブリング−)

パチンコ編終了。「破戒録編」完結。

ばくち好きの方々は理屈好きだよね。その意味で福本伸行は素晴らしい。

個人的には、『生存』(講談社)のような、かわぐちかいじとのコラボレーションをまた見てみたい。無理かな?
(評点5.5)





彼岸島』6巻(松本光司)

あの巨大魚はなんですかねえ? お笑い? これはホラーじゃないし、マンガとしても成立してない。

でも、それなりに売れているらしいです。みんな、マンガを読んでるんじゃなくて、そのマンガにまつわる情報を確認しているだけなのでは? だめだよ!!!
(評点3.5)





バジリスク』4巻(せがわまさき/山田風太郎)

おもしろいっす、『甲賀忍法帖』。せがわまさき&山田風太郎、次回作は『柳生忍法帖』らしいです。
(評点6.0)





生徒諸君!教師編』1・2巻(庄司陽子)

20数年前に大ブームを起こしたマンガの続編。残念なことに、画力が著しく低下しているうえに、ストーリーも平板である。べつに『ライフ』(すえのぶけいこ)みたいに深刻になれとはいわんが、生徒の悩みもナッキーの情熱もうすっぺらなので、なにもどこにも響いてこない。

でも、重版がかかっている。最近巷にゾンビのように増殖している感動したがりの読者に受けてるのか?
(評点4.0)





はじめの一歩』68巻(森川ジョージ

幕之内一歩、日本チャンピオンとして最後の試合がはじまる。このあと、宮田くんの防衛戦があって、いよいよ両者対決となるのでしょうか? 一歩くん、足下すくわれないようにね。

でも、宮田くんがその前に負けちゃったりして。すいません。先走りです。
(評点5.5)






《集英社》

武装錬金』2巻(和月伸宏−ファンサイト−)

表紙カヴァーの紫蝶男はいくらなんでも酷すぎるだろう。担当編集はちゃんとチェックしたの?

早くもいっぱいいっぱいの感じ。4巻くらいが限度か?
(評点4.5)





DEATH NOTE』1巻(小畑健 − Wikipedia/大場つぐみ)

死神の手帳をひろった少年の話。クールな秀才が悪人を殺して世直しをきどるというのは、現代版『罪と罰』のつもりなのか? 連載のほうでは、どんどん話が展開しているが、Lの正体を含め、大どんでん返しを望む。

人殺しが主人公なんて、ジャンプ的じゃないとか教育上よろしくないとか色々言われてるらしいが、万が一これをまねするような奴が出てきたとしても、そいつが単にバカなだけで、それ以上の意味はないぞ。
(評点5.5)





キャプテン翼ROAD TO 2002』13巻(高橋陽一)

翼くんのバルサ・Tシャツ発売されましたね。先だっての女子サッカー・日本対北朝鮮戦のスタンドで現物を見ました。

高橋先生はバルサの会長に“翼くんイラスト入りの直筆サイン色紙”をプレゼントしましたが、バルサ・ミュージアムに本当に展示されているのでしょうか? 誰か確認した方いませんか?
(評点5.0)






《小学館》

焼きたて!!ジャパン』12巻(橋口たかし−ファンサイト−

食べ物で勝負するというのは、『包丁人味平』(ビック錠/牛次郎)の昔から違和感がある。みんな『美味しんぼ』(花咲アキラ/雁屋哲−ファンサイト−)の可能性を見逃しているのでは?

「料理の鉄人」というバブリーなTV番組もあったが、あれは料理というより食材の旨さでしょ。
(評点4.5)





20世紀少年』16巻(浦沢直樹)

マンガ界三直樹の筆頭。

予想を超えて物語が進展していく希有なマンガである。ストーリーが硬軟のバランスをとって進んでいく−たとえば『マスター・キートン』のように−というのではなく、霜降り肉のように渾然一体となって展開していくという感じか。

連載が終わったときに、まとめ読みすべき作品かもしれない。
(評点6.5)





太陽の黙示録』5巻(かわぐちかいじ

当研究所は、高度な『戦国自衛隊』(半村良)的な『ジパング』より、綿密な『日本沈没』(小松左京)といった趣のこちらを選ぶ。

序章が終わり、本章が始まるところ。って、前巻でも書いたな。今回は外伝だったので、本編は進んでいません。

物語としての意外性に欠けている分、真っ向勝負なマンガであるので、いよいよこれからが正念場だ。

(評点5.5)





あずみ』32巻(小山ゆう)

絵がへたなのが致命的な作家。柳沢きみおとイメージが重なってきている。もっとへただと、かえって味わい深くなると思うが、どうか?
(評点5.0)






《スクウェア・エニックス》

ハレグゥ 』2巻(金田一蓮十郎)

登場人物の年齢をきまじめに計算してみせる話には笑った。これをユーモアというのだな。

ちょっとクセがあるけど、なれるとけっこうおいしいかも。

でも、毎日だと飽きるな。
(評点5.5)






《芳文社》

ラディカル・ホスピタル』6巻(ひらのあゆ)

だんだん教訓話化してきている。連載当初のほうが、まだ“ラディカル”だったのではないか。
(評点5.0)





たびびと』1巻(重野なおき

基本は『ひまじん』と一緒。喜国雅彦の砂漠放浪ネタ4コマを思い出した。

可もなく不可もなく。
(評点5.0)






《メディア・ワークス》

よつばと』2巻(あずまきよひこ

なんというか評価が難しい。読むのはいいけど、買ってまでとは思わないというレヴェルの作品である。

ペドフィルな人たちは「よつばちゃんの天然さがかわいい!!」とか思うのだろうか?

それとも、となりの姉妹? まさか、ジャンボ?!
(評点5.5)






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