ゴーゴリ(1809-1852)
ロシア写実主義文学の創始者で醜悪な人間をリアルに描き、ドストエフスキーに「笑いの悪魔」と評される。自分の戯曲『検察官』を見て、自分のつくり出した人物の余りの醜悪さに衝撃を受け、こんな作品を書き続けることは社会に有害ではないだろうかと悩みながらも、創作欲に突き動かされ、代表作『死せる魂』第一部を書き上げてしまう。ついで第二部を完成した時、その矛盾は頂点に達し、突如完成した原稿を暖炉に投じ、その翌日から一切の飲食を拒否して衰弱して狂乱状態になって死んだ。第二部は断片しか残されていないが、一人の作家を狂死に追い込んだ作品というのは、読んでみたいと思わないか。