ブルネレスキ(1377-1446)
15世紀を代表する建築家でフィレンツェのサンタマリア大聖堂の大ドーム建築に成功。中世の、無数の柱の集合により垂直に伸びる尖塔を特徽とするゴシック様式に対して、柱を使わない大ドーム建築に成功したことはルネサンス様式の到来を告げる建築史上の革命である。もっともこの時代の技術でどのようにしてドームを建築したのかは、建築史上の謎だったりする。同時に、そこで用いられた、“遠近法”と自ら名づけた空間把握の理論は、彫刻で盟友ドナテルロに、絵画ではマザッチョらによって展開され、ルネサンス美術全体に、大きな影響を与えていくことになる。この後彼はフイレンツェの政権を掌握したコジモ=デ=メディチの庇護下に活動を続け、メディチ家の菩提寺となるサン=ロレンツォ聖堂の建築も行った。