シドン
セム系フェニキア人の最古の都市の一つ。フェニキア都市の起源は、中王国時代のエジプトが、レバノン杉を求めてビブロスに交易基地を設けたことにさかのぼる。「海の民」の移動後は、地中海交易を独占的に支配し、シナイ文字を継承した表音文字であるフェニキア文字をギリシア人に伝えるという文化史上重要な役割を果たした。この時期、シドンは姉妹都市ティルスとフェニキアの覇権を競った。その後、諸国に征服され服属しながらも、交易の拠点としての重要性は十字軍時代まで続いた。現在はサイダと改名され、レバノンの港湾都市として存続している。


参照地図
ハイパー世界史ノート