2006年第4回 2月のマンガに、ひと言ふた言
『』30巻(秋田書店)
アライJr編、いよいよクライマックス。徐々に経験をつんでいくアライにバキはどう挑むのか? と思っていたら、は、あんなことに……。
評点……5.5
『』11巻(秋田書店)
スーパースターズ対メッツ、夢の日本シリーズ対決。ということなのだが、残念ながら、これは20年前に実現すべき企画だった。かつては、野球のゲームとしての面白さを表現していた著者も、いまは一本調子で起伏のないマンガしか描けていない。
120キロの棒球しか投げられない投手は、相手の打ち損じでしかアウトがとれないのよ。
評点……4.5
『』(朝日ソノラマ)
グリム童話を題材とした短編集。
いまだにそれ専用の雑誌があるほど、一部で人気のグリム・マンガであるが、作品のレヴェルは玉石混淆。というか、石がほとんど。その点、諸星大二郎のアヴェレージは高い。力量の違いといってしまえばそれまでだが、表題作はもちろん、『Gの日記』『ラプンツェル』は傑作。
「幻想」とは、これです。
評点……6.5
『』6巻(一迅社)
たとえば『』(講談社)は他愛のない話の中に緊張を持たせることに長けているのだが、残念ながら『拝み屋横丁』には、それが欠けている。他愛のない話が他愛のないままに終了してしまうのだ。ストーリーが我々の想像を超えて展開していくこともないので、読書という行為に緊迫感が伴わない。
ユーモアマンガなんだから、そう目くじら立てなくとも良いのかもしれないが、「驚き」のない「読書」なんて味気ないよ。
評点5.0
『』11巻(角川書店)大塚英志/
あまりに久々なので、どんな話だったか忘れてしまいました。紙も特別にいいものを使っているので、画面が白いわりに、本の重量はかなり重い。これは、大塚大先生の要請なのでしょうかねえ。
評点……5.5
『』(講談社)水島新司
『スーパースターズ編11巻のメッツ・バージョン。
『ドカベン』でも描いたけど、旬とか時機とかを逃すと、せっかくの料理もおいしくなくなるという見本かな。
それにしても、なんで講談社の初版部数はこんなに少なかったの?
評点……4.5
『』10巻(講談社)
骨太少年マンガ。でも、絵は洗練されてきてスッキリ。登場人物は熱いが、作者は冷静。成熟した、ということか?
カペタが徐々に成長していく姿とマンガのテンポが見事に調和している。あたりまえのように見えて、実はかなりの構成力を必要とされる作業なのだ。
このまま月刊誌連載という利点を生かして、じっくりと展開させていってもらいたい。
評点……6.0
『』2巻(講談社)
『』アニメ化おめでとうございます。原作の可能性を最大限に引き出してくれることを期待します。
『』が作品力以上に人気が出てしまったがために、次回作に苦しんでいるような印象をずうっと受けている。キャラクター造型力のなさを見れば分かるように、明らかに二流の作家なのだから、本人も自覚して高望みはしないこと。それを見極めれば、しっかりと仕事のできる作家です。
現役時代のジャイアンツ・原監督みたい。←わかんないか?
評点……5.0
『』22巻(講談社)
吉岡清十郎は殺すに勿体ないキャラクターでした。でも、殺さないわけにはいかないし、殺されたからこそ、惜しいひとを亡くしたと思うのだな。
小次郎編がなかなか終わらないときはどうなることかと心配したが、またいい感じになってまいりました。
作者に、余裕綽々でマンガを描いている大作家みたいな貫禄が出てきたけど、これはいいことなの?
単行本で、空いたページに描いているラフ・スケッチが好き。
評点……6.5
『』7巻(講談社)
なんというか、雰囲気だけでごまかしているような感じがしてならない。「はかなげ」とか「あやしげ」とか。
それを味わうマンガなのかもしれないが、雑誌で読んでいるときと違って、単行本でまとめて読むと、だんだんと飽きてきてしまうのだ。
辛抱足りませんか?
評点……5.5
『』10巻(集英社)/
実写映画化決定。ライトを演じる俳優(今回は藤原竜也)は、貧乏クジだよなあ。誰がやってもクレームが出るのはみえみえ。話題作というと監督がまわってくる金子修介も大変だ。
いまのシリーズ、Lに比較して格下ということで二人のかたき役なのだろうが、ふたりいる必要性があるの? と思っていたら、ジャンプ本誌では、あんなことに……!?
どさくさで描かれているギャグがいい味出してます。
評点……6.0
『』1(集英社)
翼くんが中田英寿と共に戦ったシドニーオリンピック特別編は忘れてください。
ということで、翼ファミリーによる日本代表U―23編開始。
バルサのエースもリバウドからロナウジーニョになっちゃったし、翼くんを取り巻く環境の変化は激しいけれど、「キャプつば」はいつものようにいつもの調子です。
評点……5.0
『』53巻(小学館)
もういいんじゃない、終わっても。ただの推理クイズばっかりで、退屈です。
もう十分でしょ、青山さん。
さっさと、黒ずくめの男たちの正体をばらしましょ。
評点……4.5
『』21巻(小学館)
現代日本マンガ界の横綱。
最近はやりのノスタルジックな戦後ブームは、「昭和」といいながら、戦争については口を閉ざし、高度成長の暗部である左翼運動や公害などが問題化した1970年代に目を背け、成長萌芽期の昭和30年代、しかも都市部のみを特権化することで成立している。
映画「三丁目の夕日」は東京タワー、『20世紀少年』は太陽の塔。大阪万博は昭和45年ではなく1970年開催である。浦沢にとって、昭和は懐古的に振り返るものではなく、「ともだち」という化け物(モンスター)を生んだ根源として見出されるのだ。
評点……6.0
『』9巻(小学館)
シリーズ最長エピソードあり。
ただ、Mr.WHOが「正義」について悩むにしては、悪役の政治家があまりにも小悪党なので、いまいち高揚感と開放感に乏しい。
「性交」のない「射精」みたい。それでは「自慰」か?
細野不二彦のマンガって、主人公のライヴァルや敵役に魅力がないよね(『東京探偵団』は除く)。
評点……5.0
『』(双葉社)
「デリヴァリー妻」ではなく、「デイリー妻」。
4コマ・マンガですが、オチのあとの書き込みやタイトル・カットが面白かったりするので、それでは5コマ・マンガではないですか?
妻の友人のだんなたちには面白みがないな。
評点……5.0
『』7巻(ぶんか社)
「ダーリンは外国人」マンガから、育児マンガになってしまった。育児マンガというのは、親業経験者からの共感を前提にして描かれているので、なんとも小狡いジャンルといえる。
評点……5.0
『』2巻(芳文社)
九州男児名義のマンガと比較すると、ジャンルの違いはあるとはいえ、雑な印象がする。
妻の変装に気づけよ、とか言っちゃいけないつっこみどころ満載マンガ。
評点……5.0
『』1巻(芳文社)
海藍先生、もうすぐメジャー移籍だそうで。『トリコロ』の続きもそっちで描くとか?
ただ一時ほどの人気もなくなってきているので、危険な賭になる可能性大。
だいたい、そんなこと考えるまえに、もちっと画力を上げる努力をしましょう。
評点……5.0