ベートーヴェン(1770-1827)
古典学派を集大成し、ロマン主義音楽への道をひらいたドイツの大音楽家。「英雄」「運命」などの交響曲で知られる。「英雄」は本来はナポレオンに捧げる意図で作曲され,ナポレオンが皇帝位に就任したことにベートーヴェンが幻滅してその献辞が取り消されたとする有名な説がある。ボンの宮廷音楽家であった父は、息子にモーツァル卜の再来を期待し、年齢を2歳いつわってまで若き天才少年のイメージを演出した。そのため自身後年にいたるまで自分の本当の年を知らなかった。しかもその父はアルコール中毒になって職を解かれ、家計の責任は早くから全て彼にかかり、晩年にも不良の甥のためにひどい苦労をさせられている。また1796年頃から患った耳は1800年頃から悪化し、1815年45歳にして完全に聴覚を失う。1827年に57歳で死んだが、死因はアルコール中毒による肝硬変と診断されている。その生涯はロマン=ローランの教養小説『ジャン=クリストフ』のモデルとなった。