04年8月31日 夏休み最後の日
台風16号通過。新居浜市に関しては、予想されていた最悪の事態は、何とか避けられた模様。環境破壊にもその原因の幾ばくかが存するであろう自然現象の猛威を、折に触れて感じるここ数年。自然を擬人化することで、大自然を矮小化することの危険性をとりあえず承知しつつ敢えて言うと、人間に対して、なんだか自然が刺々しくなってきた感じ。
そういえば、人間による環境破壊は、必ず人間に返ってくるというのも近年の歴史研究の成果が教えるところで、例えば山川出版の詳説世界史(もちろん新課程版の方)では、中国最後の王朝である清朝が18世紀末から動揺期に入る背景として、人口増加と環境破壊を上げていたりする。
清代中期には、領土もひろがり、中国の人口も18世紀の100年間に1億数千万から約3億へとほぼ倍増した。しかし土地の不足による農民の貧困化や開墾による環境破壊が社会不安をうみだし、18世紀末には四川を中心とする新開地で白蓮教徒の乱がおこった。(前掲書p.252)
もっとも人間が破壊しなくても、自然は人間に牙を向くことがあって、例えば14世紀の寒冷化現象や、それも一因とするユーラシア規模でのペストの流行は、モンゴル帝国崩壊の要因となったり、西ヨーロッパで人口の1/3を死滅させて、14世紀の封建制の危機の時代を演出しているのは、よく知られているところ。
結局、人間は自然環境上に生育する生物であり、自分でその環境を破壊すれば、自分の首を締めるし、破壊しなくても、自然の方で人間の生存を困難とする方向に行ってしまうこともある。そうした限界を肝に命じつつ、リスクをより少なくする現実的な対応として、破壊は出来るだけよしたがいいということなんだろうなあ。多分。
台風一過の暑天の下、某教科書会社に呼ばれて都心へ。各社の世界史の教科書と、特に某社の教科書に対して意見を求められる。随分生意気で失礼なことをくっちゃべってしまったような気がする。
帰宅後、息子たちの夏休みの宿題の、最後の仕上げを手伝う。
二人とも宿題をちゃんと終わらせている。えらいぞ。
白状すると、私は小学校の1年から高校の3年に至るまで、一度も夏休みの宿題を完全に終わらせたことがない。夏の終わりがいつも憂鬱だったのは、決して過ぎ行く季節を惜しむからではなく、どうやって宿題の提出をごまかそうかということばかり、考えていたからだろう。きっと。
で、今もやりかけでほうりだしてある、しかも半分以上はこのサイトの本館のように、自分で勝手にやってるだけの仕事の山を前に、途方に暮れていると。
04年8月30日 帰ってきました
家族4人で東京−愛媛間の交通費を考えると、新幹線や飛行機など交通機関利用よりも、高速での自家用車利用の方が経費が半額以下で済むことに気がつきトライ。経費は確かに半額以下だけど、その分疲労は2倍以上であることが判明。復路は、29日の午前10時過ぎに出発し、午後11時過ぎに到着しましたが、30日の今日一日も、とにかく眠くて眠い。
予定よりもほぼ一日早く故郷での滞在を切り上げたのは、今シーズン最大と懸念されていた台風16号を避けるため。私の出身の新居浜市は、先日記録的な集中豪雨に見舞われ、土砂崩れや河川の氾濫その他の災害が発生して全国ニュースでも取り上げられたばかり。
帰省中の28日土曜日に実家で高校時代の友人たちとホームパーティーをやったのだけど、彼らは日中はボランティアで災害現場に出ていて、パーティー中も台風16号による追い打ちを心配していました。
案の定、TV映像が伝える台風16号の猛威はすさまじく、にもかかわらず、災害の性格上、終わった後でないと、被害の実態がわかりにくいため、やきもきしながら無事を祈るしかない。
だいじょうぶであって欲しい。
04年8月23日 厄年の誕生日
7月27日から8月20日まで夏期講習。
8月21・22日は、学童保育のお楽しみ会で、次男と一緒に奥多摩のアメリカキャンプ村で1泊2日のキャンプ。今年はお楽しみ会の委員の一人として、自家用車を出して電車組の方々の荷物運びやらアスレチックの補助やらキャンプファイヤーの火の番やらと仕事も多く、緊張感もあったが、その名の通り、なかなか楽しいイベントであった。次男など、昨年参加した長男から、半ば強制的に情報を注入されたためもあって、最初から興奮状態。小学校1年生の初めての夏休みであるにもかかわらず、今までほとんどどこにも連れていってやれなかったので、少しは罪滅ぼしになったろうか。
で、8月23日の今日、気がつけば41歳である。41か。。。
とりあえず、この間に読んだ本
(、集英社)
イスラームの国家と王権(佐藤次高、岩波書店)
中世農民の世界(森本芳樹、岩波書店)
バジリスク5(せがわまさき/山田風太郎、講談社)
なお、明日からは帰省です。しばらく、ネット環境からも離れると思います。