デルフィ(デルフォイ)
予言の神でもあった太陽神アポロンを祀るポリス。デルフォイのアポロン神殿は周辺の諸ポリスによっても共有され、神殿とその祭儀を守るために隣保同盟を結んだ。
デルフォイの神託は神がかりになった巫女の言葉を、男性の神官が韻文で伝える形式で行われ、前8世紀頃から名声を高めて、やがて全ギリシアで最も重要な神託所となった。ギリシアばかりでなく、小アジアにあったリディアの王も、デルフォイの神託を求めたことが知られている。
ペルシア戦争後は、アテネ・スパルタ・テーベとその時々の有力ポリスの政治的影響力に屈するようになり、前356年にはマケドニア王フィリッポス2世の支配下に入った。
最終的にはキリスト教を国教とし、異教の信仰を禁止するローマ帝国のテオドシウス帝の下で、紀元後390年に神託所が閉鎖された。