ランボー(1854-1891)
「見つけたぞ/何を/永遠を/それは太陽とつがった海だ」ヴェルレーヌ、マラルメとともに象徴主義の代表的詩人とされる彼は、『地獄の季節』『イリュミナシオン』をはじめとする詩の全てを20歳頃までには書き終えていた早熟の大天才であり、以後は一切詩を捨て、各地を放浪して、37歳の生涯の最後の10年はアフリカ各地を転々として過ごした。日本では受験の現国の定番小林秀雄に影響を与えたエピソードも知られている。もちろん映画「ランボー」とは何の関係もない、と言いたいところなんだけど、何とシルベスター=スタローンの映画監督としての最大の夢は彼の人生を映画化することであり、その時はもちろん自分が主演であるというインタビューを、10年ほど前わたしは読んでしまったんだな。天地がひっくりかえったような衝撃を覚えたもんですが、それは、それは冒というもんだろう。なんであの垂れ目の筋肉男が、背徳の美少年詩人を演じられるというんだ。ヴェルレーヌ役は誰がするんだ。スタローンよりでかくて相手がつとまると言えば、ひょっとしてシュワちゃんか。そ、そうするとスタローンとシュワルツェネッガーのベッドシーンかー。それは怖いものみたさで見てみたいような気もする。以来製作発表の日を戦々恐々としながら心待ちにする日々です。と思っていたら、1996年、あのタイタニックで全世界に名をうったレオナルド=ディカプリオがランボーを演った『太陽と月に背いて』という映画が作られてしまいました。ディカプリオファン必見。