ディドロ(1713-1784)
フランスの啓蒙主義者・文学者・唯物論的哲学者。アンシャンレジーム末期の腐敗・不正と闘い、百科全書派の中心人物としてフランス啓蒙思想を集約した「百科全書」の刊行に取り組む。この事業は検察当局の弾圧や度重なる一時発禁処分にあいながら、175l‐72年にわたって続けられた。特に1759年に出版特許を取り消されて寄稿家の大部分が脱落し、盟友ダランベールも抜けてからは、寄稿者はディドロの他は一人だけで地下出版という最悪の状況下で事業を継続する執念を見せた。また小説家としてもゲーテをはじめ後世に与えた影響は大きい。エカチェリーナ2世との交友も有名で、晩年にはペテルスブルクにエカチェリーナ2世を訪問した。