を、中島みゆきが激情を押さえ込みながら歌い上げていく。で、その激情の質が、ほとんど「殺気」に近い。少なくとも僕は、聴いていて戦慄を感じた。
が、中島みゆきの純粋な「歌手」としての資質(声量とか声質とか声域とか)を考えた場合、上回る歌い手はいくらでもいるわけで、そういった歌手に「命の別名」を歌わせてみたらどうだろう、ということが、我々の間で以前から話題になっていた。
ところが、日本人の歌手を挙げていって、誰が歌えるか、といった時にいないんだね。加藤登紀子でも駄目だし都はるみでも駄目。一人称が「僕」のユニセックスな歌だから、男性でも歌えるはずなんだけど、この歌の深みを表現できる歌い手となると・・・。その時福田先生が、韓国・朝鮮系の歌手ならどうだ、と言い出した。「恨」を表現することが歌手としての命題である韓国・朝鮮系の歌手ならあるいは、と。
で、冒頭の紅白に出ていたキム・ヨンジャなら、という会話になったわけだ。
中島みゆきの「命の別名」がTVから流れていたころ、世の中はまだバブルの残り香に包まれていて、この歌の価値も見逃され、中島みゆきの他の歌と比べても、世間的な認識は低いと思う。端的に言ってヒットしなかった。早過ぎた歌だったかもしれない。
けれど、同時多発テロ以来、名も無き多くの命が、「正義」の名の下で行われる愚行に飲み込まれようとしている今こそ、時代は「命の別名」を求めているのではないか。キム・ヨンジャの歌う「命の別名」を。
02年1月8日 今こそ人の温もりを
1月3日から1月7日までの冬期講習終了。これで、今年度の正規の授業はすべて終了。
あとは単発の特別授業だけ。
それにしても、この間の横浜校の1現はきつかった。準備の必要から授業開始前40分に講師室に入ることを目標とすると、逆算して羽村市の我が家を5:50分には出なければならない。
起床は5時20分。眠い。普段の授業は、全て午後から組まれているので、早朝出勤に身体が全く慣れてくれない。
そして・・・寒い。この間寒気の南下というありがたい自然の配慮にも恵まれ、常に気温は零下。
自転車で震えながら駅まで行って、芯まで冷えきってようやく電車に乗る。
やっとここで一息・・・つけない。
寒いのである。新年早々の早朝の電車って、全然人が乗っていなくて、外とほとんどかわんないくらい寒いのである。冷気が足元から這い上ってきて、寒すぎて居眠りもできない。
人間って温かいって、ホント痛感。
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