03年11月30日 来るものが来てしまった
日本外交官殺害のニュースを、ネット上の報道ページを梯子しながら読んでいく。ついに来るべきものが来てしまったというのが感想。同時に、日本の外交が成果を積み重ねてきた数少ない分野である中東外交(たとえそれが石油確保のための親アラブ政策に基づくものであったのだとしても)の蓄積は、小泉政権の軽はずみなイラク戦争支持で、霧散消滅してしまったのだなと無念に思う。親日感情が育成されていた中東で、日本の外交官が殺害されることなど、小泉政権のイラク戦争支持以前には、ありえなかったはず。それでも、ブッシュ政権の面子を立てるために、自衛隊の早期派遣にこだわっているようだが、派遣するなら、ブッシュ政権の要請ではなく、国際連合での正式な決議を経て、大規模な治安維持活動にフランスやドイツなどが同意した上での、各国派遣の国連軍の一部としての参加が望ましいと、個人的には思う。

03年11月29日 後遺症はあるのだけれど
次男が久しぶりにプールに行きたいと言い出したので、二人でへ。二人とも、嘔吐下痢症の後遺症が残っていて、今日もあまり食べていない。そんなへろへろの体調でどうかとも思ったが、結果的に行ってよかった。無理はせず、小一時間ほど、流れるプールで流されていただけだけど、心理的な疲労感も含めて、ずいぶんいろいろなものが、水に流れてくれたような。

03年11月28日 嘔吐下痢症に苦しむ
昨晩からどうも胃腸の具合が悪く、嘔吐下痢症にみまわれる。デパートの総菜コーナーで購入し夕食とした牡蠣フライがあたったか、とも思ったが、ここのところ息子たちが相次いで、「胃腸にくる風邪」にやられていたので、どうもそっちの方らしい。悲惨である。発熱はたいしたことがなかったので、とにかく立川校に出講するも、講義中にも容赦なく嘔吐感は襲ってくる。とても90分はもたないので、授業を分割して休憩をいれつつ、休憩の合間にトイレに駆け込む。ここまで酷い体調で講義をしたのは久しぶり。

03年11月26日 追い込みの時期が
松戸校の総合世界史は、4.5限の時間割設定で、受講生にとって最後の授業の上に、使用教室にも後ろに予定が入っていない。そのため、松戸校では、進度調整補講の日を特別に設けず、最後の2回の授業を延長することで対処することに。そういうわけで、今回は1時間ほど延長して終わる。この時間だと、急いで帰宅しても、息子たちの就寝時間に間に合わないので、久しぶりに帰路、本屋に寄り道。購入。

03年11月25日 10年・・・
青山ミステリの先輩だった中村富由彦さんの遺作集の原稿入稿日を、12月13日と決定する。それに併せて、サークルの同人誌などに掲載された富由彦さんの短い文章、新入生の時の自己紹介とか編集長や会長就任の時の挨拶文だとかを、16ページほどの別冊付録とするため、編集作業。こちらは拙宅のプリンタが両面印刷可能なので、家内制手工業で作成する予定。青山ミステリ20周年記念号に寄せた富由彦さんの文章が、「そう、時は流れたのですね」と結ばれていたのを発見。10年です。富由彦さん。

03年11月24日 イベントばかりではダメだと
三連休中、遠出がなかったので、ディズニーランドにでも行くか、と考えていたら、長男が午前中にバスケットクラブがあり、午後からは友人と遊ぶ約束をしていたこと、連休の最後に遠出をすると、次の日寝坊しちゃうからいいと、なるほど尤もな意見を述べたこと、その他いろいろな理由からディズニーランド計画不発。代わりにみんなで焼き肉チェーンの安楽亭で昼食をとり、午後からは友人たちと何処かに行った長男を除く3人で、市内の大型商業施設や、スローフードの喫茶店をはしご。結局ディズニーランドに行くより息子たちの満足度は高かったよう。子供の価値観って難しい。

03年11月23日 共有地を維持する
今日は府中市の美化の日で、各町内会いっせいに清掃作業。昨年12月に越してきたマンションは、マンションのみで独立した町内会を構成しているということなので、マンションの清掃とあいなった。戸数が30戸もない小さなマンションではあるが、越してきて1年に満たないので、今回初めて顔を併せた人も多い。共有財産の共同清掃を通じて、コミュニケーションを維持し、自分が公共社会の一員であることを自覚する。これって凄く大事なことかもしれないと、階段をデッキブラシで磨きながらしみじみと思う。出席してよかった。
新潟J1昇格。おめでとう。愛媛FCは、最終戦勝利でJFLの3位決定。来年度こそは、J2へ。東京FCは優勝の可能性消える。がっくし。やっぱり最後は磐田と鹿島ということになるのか。

03年11月21日 師走の予感
立川校で補講の日時を決定する。あと、駒場校も補講の予定。本当なら、レギュラーの後期の授業が終わってから、冬季講習が始まるまで、1週間くらいの間があって、その間に受験シーズンのラストスパートに向けて鋭気を養うことになっている。今年はまたまた河合塾の日程がタイトになって、以前は休みだった12月31日と、1月2日も講習日となったので、年末年始は本当に1月1日しか休みがないのだ。その分も先取りしての1週間だったはずなのに、そのうちの4日間が、特別授業やら補講やらでつぶれる計算に。何のことはない、週4日出講のいつもの状態と同じである。出るのはため息ばかりなり。でも、自業自得なんだよな。幸せの予感ならぬ、師走の予感と親父ギャグを一発。

03年11月20日 トルコの災厄の日
サッカーのヨーロッパ選手権最終予選プレーオフ第2戦で、トルコがラトヴィア相手に痛恨の引き分け。第一戦を1−0で負けていたので、これで前年ワールドカップ3位のトルコが、ヨーロッパ選手権本選に出場できない事態となった。それに加えて、イラク戦争のとばっちりで、イスタンブルでまたしても自爆テロが。踏んだり蹴ったり、とか。泣きっ面にハチ、とか。それにしても、世界は本当に安全な場所になったのか。

03年11月18日 良かったのか悪かったのか
マックOS10.3。通称パンサーがやってきた。5台までのパソコンにインストールできるファミリーパック版なので、最近購入したG4パワーマック(1.25GHデュアル)だけでなく、手持ちのG4パワーブック(400MH)とG3パワーマック(旧型の青白300MH)にもインストールしてみる。パンサー、速い。旧型の青白G3でもかなりいける。いままでのOS10だと、青白G3はおろか、G4パワーブックでも、実用スピードにならなくて、それでしょうがなくG4パワーマックを購入したのに。パンサーのおかげで、お蔵入りの予定だったパワーブックが延命。しかし、ということは、G4パワーマックを焦って購入しなくても、もう少しパワーブックでつないで、G5が熟成するのを待つという手もあったよな、と思い至る。今まで何度も痛い目にあってきてるけど、パソコンの購入時期って、ホントに難しいです。

03年11月17日 だから言っただろうと、みんなが言っている
小泉政権が、イラクへの年内派兵を事実上断念。外国では、日本がイラク派兵そのものを断念したという報道がちらほら出ているらしい。イラクのサダム・フセイン政権が倒れれば、世界はテロにとって安全な場所になるというのが、戦前のアメリカの主張。イスラム原理主義者の憎悪を掻き立て、さらにテロが悪化するというのが、戦前のフランスやドイツの立場。どちらが正しかったかは、今となっては火を見るより明らかってやつで、一時はフランス製品の非買運動がおきたアメリカですら、フランスが正しかったという記事が、体制翼賛的だった主要マスコミにも掲載されはじめている。来年のブッシュの再選が、本当に危ぶまれるようになってきた。こうなると、アメリカの主張に真っ先に賛同した小泉政権の判断の責任は、いったいどうなるのか。総選挙が終わって、小泉政権の存続が決まってすぐ、こういう事態になるというのも皮肉。なんだか。

03年11月16日 三歩進んで二歩下がる
次男が保育園の友人宅に遊びに行き、長男は学童保育の友人とどこかにお出かけ。子育ての負担が軽くなったのを実感。でも、相手してもらえなくなってきたとも言えるわけで、一抹の寂しさが。そんなことを思っていたら、夕方から長男が腹痛を訴える。胃腸にくる風邪。子供、特に男の子は病気勝ちで、やっぱり手間がかかる。でも、こうやって、三歩進んで二歩下がりながら、無事に乗り切っていくことが、肝心であろう。

03年11月15日 うーむ
J2で、昇格を目前としていた新潟がまさかの敗戦。ラグビーのワールドカップでも、準決勝でオールブラックスが、今シーズン一度も負けていなかったオーストラリアのワラビーズに、ここ一番で痛恨の星を落とす。前節2位に浮上して、「ひょっとして」の期待を抱かせたFC東京も、ガンバ大阪につまずく。応援していたチームがことごとく負けた1日であった。何か、悪いものでも憑いたか。自分。

03年11月14日 人類史の悲劇
ソ連の第一次五ヶ年計画を授業で扱う。以前は、計画経済の輝かしい勝利として喧伝されていた第一次五ヶ年計画は、今日ではその影にすさまじいまでの農村破壊をともなうものであったことが明らかになっている。タイムリーに今日の朝日新聞で、「特ダネ、71年後の「試練」;ピュリツァー賞取り消し要求」という記事が出た。第一次五ヶ年計画中に大量の餓死者を出したウクライナの国会が、その70周年を記念して、飢餓を「ソ連による大虐殺だった」と宣言し、五ヶ年計画を賞賛する記事でピュリツァー賞を受賞した記者に対する賞の取り消しを要求したというもの。
第一次五ヶ年計画における飢餓については、以前という文章にまとめたことがあります。関心があるかたは、参照してください。

03年11月11日 ひねもすのたのたのはずが
午前中、歯医者に行って親不知を抜いた後の状態を確認し、ついでに歯石をとってもらう。妻は仕事、長男は小学校で次男は保育園、昼食は一人で白菜と豚肉の煮物を作り、丼にして喰らう。その後、風呂に入ってリラックスした後、昼寝。3時頃起き出して、夕食のチキンカレーの準備。チキンをヨーグルトに1時間ばかしつけておくだとか、スライスしたタマネギを30分以上炒め続けるだとか、下準備がけっこう大変なのである。そうこうするうちに長男が帰ってきたので、イトーヨーカドーでやってる空手教室に付き添いで行き、練習している間、ヨーカドーの書籍コーナーでぶらぶら。帰宅後、チキンカレーの仕上げをして家族そろって夕食。今度は息子たちと本日2度目の風呂。
今日一日は、仕事のことを忘れてリラックスしようと決意し、実行してみたのだった。

でもやっぱり気になって、メールチェックをしてみたならば、教材の校正の仕事が一つ、〆切を過ぎてるんですけどという状況確認のメールが。。。1週間以上前に速攻で終わらせて、でも〆切まで間があるから、もう一度確認しようと置いておいたら、そのまま提出したつもりになって忘れてしまった仕事があったんだった。
大慌てで書類の山からゲラを発掘し、赤ペンを握って校正の最後の仕上げをする。

画竜点睛を欠くとはこのことか(多分違う)。


03年11月9日 次に期待
現在、私が住まいしている府中市は、民主党の菅直人と元民主党副代表の鳩山邦夫の因縁の決戦の場として、衆院選における注目選挙区の一つであった。わたくしも、「政権交代の可能性」に一票を投じてきたが、出入り口には共同通信の人が待機していて、出口調査なるものにも応えることになった。初めてである。そういうわけで、今回は何というか「投票の甲斐」がけっこうあった選挙ではあった。でも、出てきた結果は、パンチ不足。落ち着くところに落ち着いた、といえなくもないけど。。。


03年11月8日 基準を自分に置くのが間違っているというのはおいといて
講義で太平洋の分割を扱うとき、ニュージーランドの先住民のマオリ族が出てくる。マライ=ポリネシア系の彼らは、日本神話と共通する神話を持っており、それは日本人の源流の一つがマライ=ポリネシア系であることを意味すると考えられる。の傑作『妖都』講談社文庫)は、マライ=ポリネシア神話と日本神話を素材としていて、そのあたりのことを、不肖わたくしが解説で書かせていただいています。

買ってください。

で、そのマオリ族の戦いのダンス(ウォークライ)をハカといい、ラグビーのニュージーランド代表チームが、試合前に披露することで有名。今日も(正確には9日だが)TV東京の深夜枠でニュージーランドvs南アフリカ戦を観ていたら、やっぱりやってました。おまけに、番組の合間に流れるアディダスのCMが、まんまハカであった。
今回、見逃した人、ニュージーランドはしっかり勝ち残ったので、次回の準決勝をお楽しみに。
それにしても、
こいつらが私と同じ人類であることが信じられない。

03年11月7日 スポーツの秋
札幌で行われていた野球のオリンピックアジア予選。結局日本チームが全勝で出場権獲得。でも、なんだが素直に喜べない。アジア3強の中では、前回のシドニーの銅メダルチームで、オールプロチームの元祖韓国が不覚をとって予選落ち。さらに、シドニー金メダルのアメリカも、メキシコに不覚をとって予選落ちのニュースが。残る前回のメダルチームは、キューバのみ。結果だけを重視するなら、オリンピック本選での日本の金メダルの可能性は飛躍的に高まったけど、逆にアメリカと韓国が出場しないオリンピック本選そのものの面白味は、俄然失われてしまったような。サッカーの2002年ワールドカップで、優勝候補のオランダがヨーロッパ予選で敗退しても、フランスが一次リーグを突破できなくても、それはあくまで、サッカー界の層の厚さと勝負の厳しさを知らしめるものであったのに対し、今回の野球の場合は、オリンピック本選出場チームの選抜方法は現行のままでいいのかという疑問と、メジャーリーガーの出場しないオリンピックの価値に関する懸念と、この層の薄さって、世界全体では野球ってやっぱりマイナースポーツなんだよな、という感慨を残すものであった。
これによってオリンピック種目から野球(ベースボール)が追放されないことを祈る。

03年11月5日 リフレッシュは
五連休終了。結局、毎日ちまちまと少しづつ仕事をしていて、今一リフレッシュ出来ていないのは、生まれついての貧乏性のなせる業か。ドーンと中の3日くらい、何もしない日を作っていた方が、生産性の面からいっても絶対に良かったはずなんだが。
と、こうして過ぎ去ったことを悔やむあたりが貧乏性。

03年11月4日 いろいろ
「火曜日はカレーの日」が続行中。今日も長男とカレーを作る。市販のルーではなく、スパイスを使ってインド風キーマカレーに挑戦。各種スパイスの加減が難しくて、今一つの出来。さらに加えて今日、虫歯になっていた親不知を抜いてきたので、血の味風カレーになってしまった。
 しかたあるまい。そういうこともある。方向性としては間違っていないハズなので、今後も挑戦あるのみ。

 星野監督の退陣表明に揺れた阪神に続いて、ダイエーも主砲小久保を巨人に無償トレードのニュースが。いずれも、強化に金をかけたくないフロントと、現場との対立が背景にあると報道されている。経費の節約を目指すのは、経営者としては「あり」だと思うが、では、その代わりにどうやって球団を強くするか、という強化のヴィジョンが全く見えてこないのが問題。リストラにのみ汲々して、会社として何を目指すかの思想を欠いた日本企業の典型。
 ヴィジョンが見えないことでは、小久保をあっさり受け入れた読売も同じ。主砲タイプの内野手ばかりそんなに集めてどうする。松井が欠けてバランスが狂ったままの外野陣だとか、阿倍の故障と低迷に加えて、2番手が全く育ってこない捕手陣だとか、補強のポイントは別にあるだろう。
 日本型企業の弱点として常に指摘されてきた「強い工場(現場)」と「弱い本社」の構図がこうも見事に当てはまると、なんだか暗澹としてくる。しかたないではすまない。そういうことがありすぎる。。。

 著名な記号学者でもあるウンベルト・エーコの小説、『フーコーの振り子』をようやく読了。歴代の神秘主義者たちが探し求めてきた「真実」を、神秘主義の文献を素材に合理的に再構成してみたらば、冗談のつもりのその「真実」(小説中では『計画』と命名されている)を、神秘主義愛好家が本当に信じてしまって大変なことに、というお話。歴史とは、事実としてあったものなどではなく、歴史家の再構成によって成立するものであるという、近年の歴史学の諦念にも似た認識(もちろんこれだって構造主義的思考法なのだけど)と共通するテーマであり、なおかつ私は学生・院生時代は、イスラムとヒンドゥーの神秘主義の交流史を専門にしていたので、根っ子の深いところを揺さぶられてしまいました。

03年11月3日 信用とは普段からの行いによって
別館のオープンに向けて準備中。それもあって、本ホームページも少しだけリニューアルの予定です。〆切の仕事の合間に、作業中。
決してリニューアル作業の合間に〆切ぎりぎりの仕事をしているわけではないので、関係者各位はご安心下さい。
と、私が言っても、安心は出来ないよなあと、突っ込まれる前に自分で。

03年11月2日 羽村市の産業祭で
羽村市の産業祭の日だったので、久しぶりに家族で羽村市に赴く。快晴。今井家や高橋家などおなじみの面々と、公園の木の下にシートを敷いて陣取って、出店で焼き鳥やら焼きそばやらを買ってきては、昼間からビールなぞをあおる。次々にたつの子保育園つながりの人々がやってきて、しばし歓談していく。

憂き世の憂さが、少しばかり晴れました。


03年11月1日 NHKの教育討論
9時からの「21世紀 日本の課題 シリーズ 学校は変われるか 第2回討論学力No.1に学べ」を見る。以前もNHKはBSの「世界潮流2003」で学力No.1(ついでに国際競争力もNo.1)のフィンランドの事例を紹介していたが、そこでもゲストとして出ていた佐藤学東京大学大学院教授が、今回も出演していた。「世界潮流2003」の方も、今日の深夜の教育放送枠で再放送していたので、フィンランド関連教育番組の2番組同日放送ということになる。NHKの、少なくとも番組担当者の「教育」問題に対する方針は、フィンランド型教育改革の主張で定まったと見ていいだろう。
全面的に賛成。
今回は、フィンランドの教育改革の成功を3点にまとめて提示していた。
1 現場に全面的な裁量権を与える。
2 毎年、全国的な学力テスト(知識偏重ではなく思考力重視)を実施して学力の客観的な到達度合いを計測する
3 そこで問題があった現場には、責任をとらせる。

教育の内容だけではなく、このようなシステムこそがフィンランドの成功の理由であるという議論は説得力があった。

まあ、われわれ予備校講師は、1と3については、既に同じような環境で仕事をしているわけだが。